新聞配達の仕事

新聞配達という職業とは

皆さんは“新聞配達”と聞くと何をイメージされますか?

家計を助けるために中学生が頑張ってやるアルバイト、カブ、早起きが大変な早朝のバイトといったところでしょうか?

私の場合は、高校生の時に自動車運転免許を取るお金や好きな服を買いたくて1年2か月新聞配達をやりました。

辞める時、朝早く起き続けるのが辛かったので、もうやるまい!と心に決めたハズなのに社会人になってからは副業として2年間2か月やりました。

確かに毎日早起きしなければいけないのは辛かったですが、営業所の所長がすごくいい方で働きやすい職場だったのと他の仕事とかぶらずに行なえるからです。

最初は自転車で配達しましたが、バイクの免許を取ってからはカブで配達してました。

新聞配達の仕事の覚え方

新聞配達って想像通りただ配るだけなんですけど、じゃあ実際にどうやって仕事を教えられるのか?

まず、自分が配達する区域の道順・配達する家と新聞の種類を覚えなければなりません。

記憶力の良い方はいいんですが、私はあまり良くない方でしたので苦労しました。

新聞営業所には地図だけじゃなく順路帳というものがあって、配達する家の名前が順番に、そしてその下には矢印などの記号が書かれています。

次の家に行くには右?左?Uターン?という感じです。

これを見ながら先輩の後をついて回ります。マンツーマンです。

恐らく先輩は一軒一軒名前と特殊な新聞の有無、間違えやすいポイントなどを教えてくれます。同行は2週間~1か月ぐらいあったかな?

あとは順路帳を頼りに、間違わないように一人で配達し、徐々に何も見ないで配達できるようになります。(この期間に雨が多いと順路帳を開きにくいので大変です)

それと、積み込みの技術も必要です。

技術ってほどではないんですけど、前カゴは日経・英字・囲碁といった特殊な新聞、そして真ん中に上手く筒状に塔を建てるかのようにメインの新聞を左右交互に(だいたい5部ずつ)組んでいきます。

この時、あんまり前カゴに積み過ぎると、強くブレーキを掛けた時にカゴが外れるので注意!(やりました)

お正月(元旦)の新聞配達ってどう?

ご想像通り、元旦の朝刊配達大変です。

折り込みチラシの量が半端無いので一部だけでも何とか二つ折り出来るレベルです。

当然3回ぐらいに分けて配達する羽目ハメになります。

そして配達中も小さいポストだと入りません。

どうしてもポストに刺さりもしない場合は玄関に置きました。

この日に雨なんか降られたら最悪です。

そんな1年で一番大変な元旦の朝刊配達ですが、“お年玉”をもらえるのと、明日は休み・・・それだけを考えて配達した記憶がよみがえりますね。

メリット

すきま時間で仕事が出来る

特に朝刊の場合、睡眠時間の管理をシッカリやって、頑張って早起きさえすれば、その他の活動に(時間的な意味で)支障がそれ程出ません。

学校に通いながら。普通に仕事に努めながら。主婦をしながら。仕事時間の計画を立てやすいのが最大のメリット。

 

おもしろエピソードを体験できる

おもしろというか、話のネタになるようなことが時々起こります。

例えば私が実際に経験したエピソードはこんな感じ。

 

【クリスマス・イブの出来事】

とある5階建てマンションに朝刊の配達で入った時のことです。

まだ辺りは真っ暗な4時頃、それは4階の端っこの家だったんですけど、ドアの前に布団が置いてあったんですよ。

近くまで行くと男の人が寝ているであありませんか!

クリスマスイヴに外に追い出されて玄関の前で寝てるんですよ。

恐らく嫁に怒られて、外で寝る羽目になったんでしょうが、それでも布団があったのは嫁の愛情がまだあったからでしょうか?

そんなことは後で考えた訳ですが、それよりもドアポストに新聞を投函しようにも行けない・・・

仕方がないのでスミマセンと声を掛けると、ばつの悪そうな顔で新聞を受け取ってくれました。

本気で明石家サンタに電話しようかと思った話です。

 

【暴走族とのからみ】

“からみ” なんて書くと怖い目にあったという印象を受けますが、週末の早朝に何度か出くわしました。

大きい道路を配達中に暴走族のお兄さんから「新聞配達の兄ちゃんがんばれよ~」と声を掛けられてちょっとビビったり、

車2台がギリギリすれ違えないような細い道を配達中、暴走族同士が追いかけ合いをしていて、お兄さんが車から体を乗り出し、「コラー待てぇ~」と声を上げながらものすごい勢いで逆走していったことがありました。

あ、やっぱり怖い話になりますね。

デメリット

休みが少ない&ほぼ毎日早起きし続けなければならない!

これが一番辛いんじゃないんでしょうか?

私も何度か寝坊して電話で起こされたことがあります。\(;゚∇゚)/ヒヤアセモン☆

特に冬場の早起きはキツいですね。

休みは基本的には月に一回だけ1月2日、あとはどうしても休みたい日(旅行に行くとか)は伝えておくと休ませてはくれますが。

また新聞社によっては朝刊でも週一で休みにしている所もあります。

週末みんなが休みの時に仕事は、たま~に嫌になりますね。貴重な月一の休みが待ち遠しい。

 

自転車で配達するのは体力がいる

そこそこ重い自転車の、前かごと後ろの荷台に新聞を積むわけですから、それなりに体力は要ります。

まぁこれは現役高校生であれば問題ないかな?

恐らく自転車なら近めの区域が割り当てられる(ハズ)です。バイクなら問題ないです。

 

事故にあう確率が高い

早朝の道路は危険がいっぱい。

空いているので運転は気持ちがいいんですけど、本当に信号が赤でも全くスピードを落とさずに信号無視をする車が本当にいます。

時々そういう事故で亡くなったという話を聞くと怖いですね。

私は幸いそんな目には遭いませんでしたが、新聞を満載して配り始めたある時、真っ暗な道路の交差点を左折したらちょうど角のマンションが工事中で、道にその工事の砂利が落ちていたせいでバイクの後輪のお尻が振って転けて左膝をケガしたことはあります。

ちょっとスピードを出し過ぎていたのかもしれませんが、こういうのってどうしようもない。

あと事故違いになりますが、飼い犬の危険も無くはないです。

最近は野良犬ってあんまり見かけませんが、飼い犬でも放し飼いやロープに繋がれていても新聞を入れる時に届きそうな場所で繋がれていたり、いきなり吠えられてビックリしたり(笑)色々あります。

 

気候に大きく左右される

さて質問です。

雨、風、暑さ、寒さの中で一番辛いのはどれだと思いますか?

答えは以下のランキング形式で。

  • 意外でしたか?

    風と言っても台風の時のような強風はかなり手強いです。

    ただ単に自転車やバイクの運転が難しくなるだけじゃないんです。

    私は団地を配達中、停めてあったバイクの前かごの中の新聞が強風で持っていかれて折り込み広告が団地の4階ベランダまで飛んだことがあります。

  • 今では一部一部あらかじめ雨の日はビニール袋に入れての配達が当たり前になってるんでしょうか? 昔は少々濡れてもそのまま投函OKでした。それでも、出来るだけ新聞を濡らさないようにするのは大変です。

  • 寒さ

    基本的には“着込めば”寒さはしのげます。駆け足で配ったりもしますので、それなりに体も温まりますし。

    問題は冬の雨。グリップヒーター付きのバイクならだいぶ寒さは緩和されますが、手がかじかむと、痛い上に配達の効率がどうしても落ちます。また雨の日は後ろに積んだ新聞を前カゴに積み替えることが出来る屋根のある場所を探さなければなりません。(マンションの自転車置き場とか)

  • 暑さ

    真夏は確かに暑くて汗も良くかきますが、配達時間がそれほど長くないですし、時間帯も早朝や夕方なので暑さはそれほど苦にはなりません。とはいえ梅雨から夏のレインコート着用での配達はさすがに中が汗でビチョビチョになりますから不快です。

新聞配達に関して知っておきたいこと

新聞の誤配

配達の仕事をする上で一番のミスは誤配です。

新聞社・各営業所によってペナルティーは大きく違うようです。

私が務めていた営業所は基本注意だけでした。何回もする人は1回やったら100円引くぞとは言われていましたが。

それから時が流れて自営業をしていた時に、副業で夕刊だけしようと面接に行った時の話です。

そこは昔わたしが行っていた営業所を買い取ってエリアを拡大していた営業所でした。

基本的な給料設定は同じようなものだったんですが、一つ気になったことが。

それは誤配に対する厳しい姿勢です。

なんと一件誤配したら1,000円引くと言われました。

いやぁ~確かに誤配はマズいですけど、私の経験上いたずらで抜かれることもあるし誤配無しは絶対無理と思ったので、この仕事は断りました。

1,000円も引かれたら何のために仕事に行っているのか分かりません。

 

新聞配達あるあるネタ

  • ドアポストに新聞を入れた瞬間に待ち構えていた家の人に新聞を引っ張られてドキッ!とする。(何度も経験しました)
  • 最後の家まで配り終わって朝刊が2部残る所が3部残った(恐らく入れ忘れがあったので必死に思い出す羽目になる)
  • 疲れてなければ体内時計が正確になって目覚ましの1分前に起きられるようになる。
  • 出勤の途中で警察官に職質される。
  • 配達中に同業他社さんと鉢合わせになると、妙な競争になる。(相手がおばちゃんの場合は別)
  • 朝刊の配達から帰ってきたら腹ぺこで朝食をお腹いっぱい食べた後に二度寝したら太る。
  • 配達終わりの朝焼けに心が洗われる。

求人募集と給料と面接について

新聞配達の勤務時間

仕事は朝刊と夕刊の配達の他に、朝刊の仕分け作業(広告を折り込み作業)や集金の仕事も別にあります。

  • 【朝刊の仕分け作業】午前2:00~1時間程度?
  • 【朝刊の配達】午前3:20~4:00ぐらいまでに営業所に行く。配達時間は1区域(180~200部ぐらい)、積み込み時間を除いて1時間30分~2時間ぐらい。
  • 【夕刊の配達】午後2:00過ぎから3:30ぐらいの間で営業所に行く。配達時間は1区域、積み込み時間を除いて1時間15分~1時間30分ぐらい。(日曜日は休み)
  • 【集金のバイト】25日以降~月初にかけて。時間はおうちの方がいる時。(おもに夕方?)

あとは、【正社員】として働いている方はこれに営業活動や集金、そして休みが出た場合にその区域をカバーしたりクレーム対応をします。

夕刊の配達時間のほうがなぜ短いのか?・・・

それは朝刊と同じ配達区域で夕刊を取っていないご家庭もあるのでその分件数が減ることと、団地やマンションの場合は朝刊は各ご家庭のドアポストまで入れなければいけませんが、夕刊の場合は1階の集合ポストでOKの所が多いから。

【集金のバイト】っておうちの方がいる時という前提になりますが、けっこう自由がききます。

主婦の方がされている場合が多いですね。慣れて顔なじみになれば、いつ行けばいいのか大体わかりますし、それ程気を遣わなくていいかもしれません。(都会は別かも)

新聞配達の給料

アルバイトの話になりますが、

  • 【朝刊一区域配達】5万円~
  • 【夕刊一区域配達】3万円~
  • 【集金のバイト】3万円ぐらい?

私の場合は、A新聞の朝刊で5万円スタート、1年後に3千円アップでした。

田舎の方ですと、配達エリアは広くて件数が少ないからか、時給800円~900円だったりします。

夕刊は3万円前後だと思いますが、高校生の時に夏休みだけやって欲しいと頼まれて月5万円もらえました。

あと、お正月には“お年玉”、半年に一回“寸志”をもらえましたよ。3千円~5千円程度だったかな?あれば嬉しいですね。(営業店によっては無いかも)

※もう少し給料を上げたい場合、経験を積んで配るエリアを増やすという方法があります。早めに所長に配達区域を増やしたいことを告げておくと、誰かが辞めた時に回してもらえる場合があります。とはいえ、配達時間が遅くなるとクレームになるので一区域の半分だけとかになるかもしれません。(私の場合がそうでした)

新聞配達の求人募集

求人に関しては、実は人手不足ということがよくあります。

ですので一番のオススメは、営業所に行って「新聞配達の朝刊の仕事って今募集していませんか?」と直接聞いてみることです。案外募集していることがありますよ。

あとは求人情報誌ぐらいでしょうか。

可能であれば家から近くて割と評判の良い営業所を選びたいところですね。

まとめてみると、以下の通りです。

  • 気になった営業所に直接聞いてみる
  • 新聞の折り込み広告を常にチェック
  • タウンワークなどの求人情報サイトで自分の家から近いエリアで募集がないか検索する

 

新聞配達の面接

おそらく他のバイトと比べると非常にハードルは低いです。

服装もスーツでなくても大丈夫ではないでしょうか?

健康で朝早く起きられるか、続けてくれそうかな?そんなところを見られると思います。

 

求人情報サイト一覧はこちら

まとめ

この仕事はメリットとデメリットがハッキリしています。

“朝刊の新聞配達は朝早く起きられるか”が最大のポイント。

ですから無理と思えば無理ですし、やってみようかな?と思える方にはオススメ出来る仕事です。

地域によって募集具合の違いはあると思いますが、比較的人手不足の仕事です。

よく新聞の折り込みチラシにある求人情報でも募集を見かけますが、募集を見かけなくても家の近くで良さそうな営業所があれば飛び込みで募集しているか聞いてみるのも手です。私は高校生の時にそれで雇って頂けましたよ。