最近はメッキリ少なくなってしまったアイススケートリンク。
そんなアイススケート場で仕事をやってみたいという方もそれほどいるとは思えませんが、学生時代のイメージでは仕事中にアイススケートを滑って楽しくてラクなイメージだったんですが、皆さんはいかがですか?
私が20代の頃、上野芝グリーンボウルという古いボーリング場と一緒に運営されていた「上野芝アイススケートリンク」で2シーズ、副業アルバイトとして働いた経験があります。残念ながら2011年5月に閉鎖されましたが。
アイススケート場の仕事内容
まず最初に書いておきますが、この仕事は1年中あるわけではありません。
9月頃から準備が始まり、営業期間は10月中旬~翌5月上旬ですから、続けて仕事をするのは難しいかもしれません。
9月からの準備期間
設備の補修と道具の手入れ
この準備期間の仕事は、会場の設備の補修と道具の手入れです。
私がいたスケート場は手作り感のある古いスケート場でしたから、日曜大工で木を切ってフェンスを直したり、ペンキを塗ったりして自分たちで補修作業です。(笑)
また道具の手入れとして、スケート靴もサビ落としや靴磨きを行ないます。
スケートリンク作り
営業時期が近づいてくると、いよいよアイススケートリンクに氷を作ります。
氷を張る作業は技術が必要なので、りんスポから親方みたいな方が指導に来てくれていました。
どうやってスケートリンクを作るのかと言いますと、フェンス内にはたくさんの冷却水が通るパイプがクネクネに張り巡らされています。そのクネクネのパイプの中に冷却水が流れ、氷が張れる状態にします。
冷却水は塩化ナトリウムが混ぜられた水。地下にある冷凍機で十分冷やされた冷却水がパイプを通るので、パイプ自体はマイナス20℃ぐらいになるのでしょうか?
この状態にしてから、リンク内の冷やされたパイプに向かってホースで散水していきます。
この時、できるだけ霧状になるように、薄く全体に撒いていきます。
そうしないと撒いた水はなかなか凍ってくれません。
私たちアルバイトはその助手で、散水するホース持ち係です。水を撒いて凍るまではホースが当たらないように気をつけます。
これを寝ずの番で丸2日以上かけて行ないます。
全面に散水したら少し休憩。それを何度も繰り返し。
ある程度氷の厚みが出てきたら、柄杓で石灰水を撒いて氷を白っぽくします。そうすることで、下のパイプが見えなくなるだけでなく、氷が厚くなったようにも見えますし、競技用のラインも見やすくなります。
次に、アイスホッケーのラインになる赤や青の紙テープをきちっと測って貼り合わせます。(紙なので水に濡れるとすぐにくっ付きます)その上からまた散水してある程度氷が張ったらアイスリンクの出来上がり。
氷作りは結構大変です。
営業期間の仕事
営業時間外は時々、学校の前などで割引チケットを配りに行く。
営業時間の仕事内容は以下の通り。
- 受付
- 貸靴
- 休憩時間のリンク整備
- 自販機の補充
- 掃除
- 一般営業時間外の仕事
アイススケート営業時間の仕事
では、具体的に営業時間の仕事について解説しましょう。
受付
どこの受付でもやっていることは同じだと思いますが、割引チケットの有無の確認と現金と引き替えで入場券を渡す作業。
貸靴は500円ぐらいしていました。基本的には女性が受付です。
貸靴
貸し靴コーナーの仕事がメインの仕事と言っても過言ではありません。
土・日・祝日(特に正月休み)は2人では数をこなせないので補充のバイトを入れたりもしていました。
フィギア用の靴を0.5cm刻みのサイズを聞いて貸し出します。この時、数は少ないですが言えばホッケー用の靴も貸してもらえます。
靴の違いは歯が1本か2本か、またフィギア用はつま先にギザギザのブレーキが付いています。恐らくフィギア用の方が素人には扱いやすいのではないでしょうか?
戻ってきた貸靴はぞうきんで水分を拭き取って、消臭スプレーをかけて戻します。
貸し靴コーナーの仕事が落ち着いた時は、安全の見回りのためにスケート場内をスケーティングしながらブラブラして、危ない行為があれば注意します。(この時にスケートの練習ができます)
また、暇な時は合間を見てそれ以外の仕事をします。
休憩時間のリンク整備
プールと同じで、2時間置きだったかリンクの整備の為の時間があります。
削られたスケートリンクのコンディションを整えるために、“整氷車”を使います。
整氷車を使ったリンクの整備作業は通常2~3人で行ないます。1人が車の運転、あとの2人は欠けた氷の穴を埋めたり、整氷車で集めた大量の雪状の氷を指定の場所から落とします。
この整氷車の運転、見てる以上に難しいんですよ!
前方の角が見えないので、特にコーナーギリギリを整備するのは至難の業なんです。私も何度か運転させてもらいましたが、失敗するとフェンスを傷つけてしまいます。
自販機の補充
暖房の効いた休憩室には自販機が数台設置されていましたが、土・日・祝はすぐに売り切れてしまいます。特にホットコーヒーが。
狭い休憩室に人がいっぱいの中、補充しに行かなければなりませんので大変でした。
貸靴の暇な合間を見て、急いで併設されているボーリング場内の倉庫へ補充用のドリンクを取りに行きます。
すぐに売り切れるような日は、当然冷たくも暖かくもならない間に、また売れていきます・・・
掃除
営業時間内の掃除はあまりしません。ゴミ箱がいっぱいになっていったらゴミ捨て、汁物がこぼれていたら拭き取る。その程度でしょうか?
それ以外の掃除は一般営業が終わってからです。
一般営業時間外の仕事
一般営業時間は10:00~18:30で、そのあと19:00から4時間はフィギアスケートやアイスホッケーの時間です。
夜の仕事は夜中の12時ぐらいまでありました。
整氷車を使ったリンクの整備、場内の掃除全般、自販機の補充、地下室などの見回り、選手がケガをしたときの対応など。
休憩もたくさん取れたので楽と言えばラクです。
アイススケート場の求人募集と給料
ボーリング場の仕事募集はアルバイト情報誌やサイトでよく見かけますが、アイススケート場自体が少ないので、“この仕事!”というのは非常に難しいと思います。こだわりがあって、わざわざアイススケートの仕事を探している人は少ないとは思いますが。
ということで、仕事探しをまとめてみると以下のようになります。
- スケート場のサイトから求人を探す
- タウンワークなどのアルバイト情報からエントリー
時給は、時給800円~900円(22時以降は25%アップ?)
まとめ
アイススケート場での仕事を2シーズンやっていて色々ありました。
例えばこんなことがありました。
いつからかサンタクロースの格好をした人が時々リンクを滑りに来るようになったんです。楽しそうに子供たちがその人に寄ってきます。いつしかちょっとした名物みたいな・・・でもあれ?なんかおかしいぞ!そう思った社員が声を掛けたら、実は塾の宣伝をスケートリンク内で勝手にやっていたんです。その人は出入り禁止に。
また、アイスホッケーの試合中に骨折した人がいたり、一般客で具合が悪くなった人を近くの病院へ自分の車で送っていったこともありました。
他には、消防法でこういった施設は年に一回、消防隊員指導のもと、訓練をしなければなりません。「火事だ~!逃げろ~!」と大きい声を出して、避難誘導する練習を恥ずかしいのを我慢してやったり・・・
このように様々なことが起こる(かもしれない)仕事ではありますが、アイススケート場に限らず、ボウリング場などのアミューズメント関連のアルバイトは、それなりに楽しくていい思い出になりますね♪