僕たちが待ち望んでいたバカまじめな郵便配達員になる方法とその実態

郵便配達のイメージ

郵便配達の様子
松本人志がテレビCMでゆうパックを届ける “バカまじめな男”

郵便局も上手くやったなぁと思うのは私だけでしょうか?

マジメさを面白おかしくアピールするこのCMは“今までの郵便局と違う!”と思わせ、好感度アップです。

私が郵便配達員として働いたのは、今から6年ほど前からの1年間、契約社員としてでした。

だいたい1年働くと、仕事の内容にも精通し会社の裏事情も見えてきます。郵便配達の経験のない方が今後やるなら知っておきたいことをお伝えしますね。

郵便配達の求人募集と面接について

郵便配達員の求人情報

「郵便物の配達」の長期募集というのは期間雇用社員(契約社員)です。 正社員以外はアルバイトと思っている方も多いですが、実は違います。

募集の方法は以下の通り。

  • 各支店で明らかな人員不足が発生する時にエリア内で各郵便配達員が募集の広告を配達ついでに撒く。
  • 日本郵便の採用情報に載せる。
  • タウンワークなどのアルバイト情報誌に掲載。

求人情報サイト一覧はこちら

ちなみにここ最近では、20代前半の若い女性の方を積極的に採用しているように思われます。おそらく会社のイメージアップを図ってのことでしょうか?

面接で気をつけること

求人募集のエントリーを終えると、おそらく数日後に封書にて面接のお知らせが届くと思います。

面接当日は「郵便局支店の社員通用口のインターホンを押してください」というような指示だったと思います。

たいがい中で働いている女性の方が出てきて面接する部屋まで案内されます。

そうそう、この面接の時ってどんな服装で行ったらいいの?と思われる方がいるかもしれません。

けっこう普段着で来られる方もいて、実際面接の際の服装に関しては緩いですが、社会人のマナーとしてスーツで行くことをオススメします。

そしてこの面接で一番重要なことは“今まで交通事故を起こしていないか?”この一点かもしれません。

私を面接したのは支店長でした。

マジメでルールを守れる人間かが見られるように思います。

何を聞かれたのかはハッキリ覚えていませんが、分からないことはこの時キチンと聞いておきましょう。

また働き方に関して希望やどうしても譲れない条件があれば伝えておいた方がいいです。(内容によっては採用されなくなりますが後悔のないように)

あとで伝えることは難しいですからね。

面接が終わったら採用通知が届くまで、2週間以内だったか待たなければならなかったかな?

郵便配達の研修はこんな感じ

郵便配達の研修
トータルで5日間、大阪なら住之江にある研修センターに行って座学や実習訓練を受けます。
この研修でも時給は発生しますよ。

座学の時は、仕分けなどの内勤の方もおられました。この方々はバイクの練習がないので日数は2,3日だったと思います。

座学研修で学ぶこと

  • 日本郵便という巨大組織について
  • 働き方と昇級に関して
  • 安全運転教習
  • 犯罪行為の注意(郵便物を捨てる、個人情報漏洩など)

ビデオを見たり、教えてもらった直後にテストをしたりします。

実務訓練で学ぶこと

  • 郵便物の組み立て
  • バイクのメンテナンス
  • バイクの乗務訓練

組み立てというのは、郵便物を道順に従って並べ替える作業のこと。

これまで新聞配達でカブには乗り慣れていましたが、徹底した二段階停止や片手に郵便物を持っての運転は慣れるまでは難しかったですね。

ちなみに配達する時も指サック必須です。

結構厳しい教官がいて、長い1週間に感じることでしょう。 いよいよ仕事開始です。

郵便配達の一日の仕事内容

まず、自分の所属する班と何区を配るのかが割り当てられます。

その区を走ることが出来る先輩とマンツーマンで、配達する道順や表札の場所、名前などを教えてもらいながら付いていきます。

一緒に走ってもらえるのは2週間ぐらいかもしれません。

あとは名前入りの細かい地図とにらめっこしながら一人で配りますが、配る前にやることがたくさんあります。

【出発前にすべきこと】

  1. 朝8時のチャイムと共に朝礼&ラジオ体操、点呼(アルコールと運転免許証のチェックの後に出勤簿にハンコ)
  2. バイクの運行前点検(各項目チェック後にハンコ)
  3. 自分が配達する区の郵便物(機械で仕分けされた普通郵便の他に、定形外郵便物を取りに行く
  4. 道順組み立て(途中で書留を取りに行く)

朝礼前に、配達カバンと書留用のカバンの取り合いになります。
自分専用として置いてある人もいますが、上司が言うには専用はないから空いてるものを使えとのこと。

でも明らかに数が足りなかったり、あっても穴が空いてあってボロボロのだったり・・・そういう場合は、よその班のを拝借します。

そしてこの仕事はハンコ(シャチハタ)とボールペンがなければ仕事ができません。

ハンコは忘れたり紛失させた時のことを考えて予備を用意しておおきましょう。

郵便物を取りに行くと、その量で今日一日仕事が楽か大変かが分かります。

普通郵便が少ない時は700枚程度の日もあれば、多いときで2800枚以上ある時もあります。

さらに定形外に「こどもちゃれんじ」がある日はみんなブルーです。

これ一個でかなり荷物のスペースを取りますが、それが数個はあります。

こんな感じで定形外郵便物が爆弾のようにある時は、とびきりデカイやつを班の早出の人(主に速達や時間指定の郵便を持って行く)にお願いして、ついでに持って行ってもらったりしました。

それに加えて、ゆうパックの小さいやつも回ってくることがあります。

そして書留。 クレジットカードや保険証、現金、速達などの重要書類を扱いますので、これらの管理はキッチリしないと大変なことになります。

「後期高齢者医療被保険者証」が出た時なんかは数が多い上にお年寄りで耳が遠い方の所へ届けるので大変だった記憶が・・・

あと、配達地域指定郵便物というのがありまして、これが自分の区に割り当たった時もかなりハードです。

通常なら郵便物がない家にも、自分の配達区域全部にその広告を放り込まなきゃいけなくなりますからねぇ。ヽ(;´Д`)ノヤメテー

【道順組み立て】について・・・よく道組と言います。

これは機械が上手く処理できなかった普通郵便(はがきや封筒)を手区分します。(○丁目○番といった格子型の棚に入れる)

その後、機械区分された大量の普通郵便の中から誤区分を弾きつつ、間に手区分を差し込んで道順に並べます。

この作業中に転居があれば転居シールを住所の上に貼り、そこにハンコを押して新しい住所に届くようにします。

文字で説明しても分かりづらいですね。これが慣れるまで本当に時間がかかります。

道組みを早くするには誤配の可能性が高まりますが、やはり記憶した方が早いです。

最低、午前中の間に配達出来る所まで組めればいよいよ出発です。

※携帯端末が使えるようになるまでは、ゆうパックや書留は別の先輩たちが配達してくれます。普通郵便が時間内に配達出来るようになれば(3か月~半年後ぐらいだったか?)携帯端末を渡されます。

バイクによる配達方法

まず安全運転。 口が酸っぱくなるほど安全運転を心がけるよう言われます。

時々、映像や実地の講習会もあります。停止線でシッカリ止まって、少し顔を出しての二段階停止を破ると罰則があります。

たま~にですが、後ろから運転チェックされる場合もあり。

それでも毎年支店で事故を起こす人が一人か二人はいます。

カブを運転して配達するスタイルは、右手はハンドルをシッカリ待ってアクセルを回す。

左手には適量の郵便物を持った状態でハンドルの端に小指を添える感じ。

これで指示器を抱いたり曲がったりは少し慣れが必要です。しかも雨の日は郵便物をクリアファイルのような物に入れたものを左手に持ちます。

この雨用のファイルを使っても、水が中に入っちゃうと郵便物が濡れてしまいます。しかもポストの口自体がボトボトなので、大雨の日に濡らさずに配達するのは至難の業です。

スタートとゴールは一応決まっています。

ですので、だいたい同じ時間帯にその家に郵便物を届けることになるハズです。自分の都合良くコースを変えすぎると、郵便物がこないというクレームの電話が入ることも。

特に午前中に配達している会社は要チェック!

走っていくうちに、やりやすい道順というのが見えてきますが、それまでは基本に忠実に運転しましょう。

配達の出発時間と帰社時間

午前8時20分ぐらいから道組を始めたとして、だいたい10時~10時半までには出発します。

お昼は厳密な決まりはありませんが、12時過ぎから12時45分ぐらいの間で、だいたいみんな帰ってきてお昼の休憩です。

支店によって違いはありそうですが、お弁当を食べられる食堂(休憩所)はあります。

休み時間はキッチリ取っている方もいれば、早く終わらせたいので、遅めに支店に帰ってきてくる人もいます。

午後1時15分のチャイムが鳴ってからでないと作業はできません。

[ad#ad-1]

郵便配達の営業ノルマはつらいの?

郵便配達の営業
はい。 なかなかのものです。(キッパリ)

ここ数年は郵便局員による『自爆営業』が問題になったので、営業も大変なんだなぁ~ということが知られるようになりました。

一方で、世間のイメージとしては「配達に来ているのになぜ営業するの?しつこい!」というアレルギー反応を示す方もおられます。

正直、標準的な物量の時に営業する余裕はほとんどありません。

営業ノルマも年々増やされています。

例えば私が入った年は「カタログギフト」のノルマが12個、年賀はがきは600枚といった感じしたが、翌年はその倍近くに設定されていたと思います。

「年賀はがき」や「かもメール」の販売数が年々減少している中でノルマは増えている。

名前と写真を貼った販売実績グラフを貼りだしてノルマを達成した人には、選挙の当確みたいに花飾りが・・・ 販売件数の少ない者は呼び出されて、「もっと売ってこい」とチクチク言われ続けます。

支店長は“自分で買って金券ショップに持ち込むようなことはするなよ”とは言うけれど、昇格したい人はするでしょうね。

ちなみに私の場合は、自分の配達範囲の中で顔見知りになった2,3人だけ買ってくれましたが、まったくノルマには及びませんでした。

「カタログギフト」なんて、ネットで買えば半額で買えるとみんな言ってます。

親にお中元は郵便局のでとお願いしたり、良さそうなお菓子などがあれば自分で購入するのが限界。

昇格には響くでしょうが、ペナルティーがある訳でもないので無理に買う必要はないかと思います。

給料と昇級について

契約社員は時給制です。地域によってスタート時のCランクでも時給が違うようですが、私の場合は920円でした。

人事評価:班長→課長→支店長と評価が渡り歩いて決定されます。

最初はCランク→→Cランク有り→Bランク→Bランク有り→Aランク→Aランク有りとステップアップしていきます。

経験年数が長いという理由ではアップしません。

昇級するためには、配達できる区を増やす、誤配などのペナルティ無し、営業成績によって決まります。

これがなかなか大変です

私が入社した年はタイミングが悪く、ちょうど日本郵便が事業の失敗で2千億円以上の大赤字を出した直後でした。そのため営業ノルマがきつくなり、昇級もかなり厳しくなりました。

ちなみに契約社員トップのAランク有りになって、さらに条件を満たし、上司からの推薦があれば正社員試験を受けられます。

実はいくら頑張って成績が良くても、支店長に嫌われると正社員にはなれません。

私が所属していた班で当時40代の契約社員の方の話をしましょう。

その方は、人柄も良く特に営業成績が正社員も含めてダントツのトップでした。年賀はがきなんて自爆営業無しで1万2千枚を超えていましたからねぇ~

会社に対する献身的な姿勢は端から見ていて尊敬できるレベルです。でも・・・正社員の道はまだまだ遠いようでした。

いったいなぜ?

それが郵便局です。

若さなど色々理由はあるかもしれませんが、想像するより人間関係がギスギスしています。

結局は上司に気に入られるかも大きなポイント。

配達員同士は結構気さくで和やかな雰囲気なんですが・・・

郵便局は働きやすい?それとも働きにくい?

この組織に入って感じたことは、社員でも2種類の人間がいて、一部の上を目指す人の野望とか半端無いです。

そういう人はメチャクチャ人に厳しいし、自分が評価されるために人を使います。実際そういう人が支店に一人いて、都会の大型郵便局に移動になった時、メチャクチャ大喜びしていました。

別にそれが悪いわけではないんですが、やり方がちょっと汚かった。

そして働きやすさは、誰が支店長なのかで大きく変わります!

こればっかりは運。

知り合いで働いている人がいるなら、そういう評判を聞いておいた方がいいのかな?

2年して支店長が代わったりするので、それほど意味はないかもしれませんが。

昔の郵便配達と現在の郵便配達とでは、民営化以降大きく変化してきましたが、いまだに国の税金を使ってやっている仕事のような言い方をされ、結構理不尽なこともあります。

ネットで検索してみてください。確かに悪質な運転をする人もいますが、場合によっては歩道にバイクを乗り入れて新聞配達のようにポストに投函しないと配達できないような場所もあるし、特に真夏なら水分補給がてら時には休憩も必要でしょう。(場所は考えないといけませんが)

「こいつら仕事中に休憩なんかしやがって」みたいな書き込みをよく見かけますが、民間の会社員がいちいち他人からそれをツッコまれますか?もう税金で雇われている公務員でもないのに。

メリット

有給休暇はシッカリとれる

ただし班の中でかぶらないように早い者勝ちです。

契約社員でもミニボーナスが出る

半年に一回、だいたい月の給料の半分ぐらいだったかな?たしか時給920円で7万円ぐらいありました。これは大きいですね。

感謝やねぎらいの言葉をいただいた時

「ご苦労さん」の言葉や「これでも飲み」とジュースをもらった時は嬉しいですね。

デメリット

冬の雨の日は、何で俺はこんな事をしてるのだろうと思う

これはあるあるだと思いますが、バイクの郵便配達で一番辛いのは、メチャクチャ寒い冬の雨です。

指がかじかんで、くっつくハガキをうまく取れないは、指は痛いはで、おそらくみんな憂鬱な一日になります。

ゴールデンウィークのような連休でも飛び石連休になる

配達の加減で3連休にはなりません。もし連休をしたければ有給を消化するしかないでしょう。

ユニフォームがくたびれても、なかなか新しいものに替えてもらえない

ケチだか何だか分かりませんが、先輩たちの紺のポロシャツとパンツが激しく色あせていました。(^^;)

ちなみにこの仕事を辞める時に、たとえボロボロだったとしても、すべての制服は必ずクリーニングに出して返却しなければなりません。

まとめ

はっきり言って、あまりオススメできない仕事です。

仕事自体は無くなることはないでしょう。

ただ、配達のみなら楽しいかもしれませんが、やっぱり営業がネックになると思います。

それでも純粋に、“バカまじめな郵便配達員”を目指すなら、それもいいでしょう。