化学系品質保証の仕事とは理科の実験のような楽しさでやりがい◎

品質保証試験の様子1
派遣の仕事で、某化学系東証一部の品質保証部に約1年3か月在籍して分かったこと、この仕事の魅力について書きます。

一言だけ先にお伝えしておくと、“実験的な作業が好きな人には非常に楽しめる職業である”ということです。

品質保証と品質管理の違い

よく仕事探しをしていると“品質保証”“品質管理”というよく似た職種を見かけます。

素人には何がどう違うのか全く分からないと思いますが、私も詳しくは説明できません。(苦笑)

Q&A:品質管理と品質保証の違いについて教えて下さい。 | オムロン工場見学によると、

・品質管理は、品質に対して目標を設定し、PDCAをまわしながらその目標品質に近づけたり維持したりすること。

・品質保証(QA)は、品質を保証するための証拠をもっている、あるいは、仕組みのこと。

何か分かったような、分からないような・・・

私が行なっていた某化学系会社の品質保証部の仕事は、実際に出来上がった製品のサンプルを回収し、様々な試験を行なって、その検査の結果が合格しているか合格していないかを確かめる仕事でした。

最終的に再試験してもアウトだった場合は商品を納めることができませんので作り直しになるわけです。

こうやって、クレームができる限りないよう、商品の品質が一定の基準を満たしているかを確かめ、合格していればハンコを押すというようなイメージですね。

アルミ製品について

私がいた某化学系東証一部の会社っていうのは、金属であるアルミを製造している会社でしたが、一体何を作って何を検査しないといけないのか?

皆さんはアルミ製品と聞いて、どんな商品を思い浮かべますか?

  • アルミ缶
  • フライパン
  • ハードディスク

私たちの身の回りには、あらゆるアルミ製品がありますが、すべて同じアルミではありません!

例えばフライパンなら熱伝導率が高くて固いアルミ、ハードディスクなら電気を通しやすいアルミ、そうです、アルミニウム合金の成分に大きな違いがあるんです。

純アルミニウムは軟らかい金属なので、銅やマンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどを混ぜることで用途に合わせた金属に変えることが出来ます。

製品化したアルミはアルミ箔にしロール状に巻いて出来上がります。

ちなみに素材集めに関してですが、一から作ると物凄い電気が必要でコストもかかるため、海外などから安く再利用できる純度の高いアルミを見つけて輸入したりもしているようです。

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アルミ製品の品質保証の仕事

では、具体的にどういった作業があるのか?

一日の流れ

ラジオ体操&朝礼

8時出勤。 工場ではあたり前ですが、必ずラジオ体操から始まります。

その後は朝のミーティング(朝礼)がありますが、連絡事項の他に各日当番で朝礼の司会&安全に結びつけた話(ニュースなど何でも良い)を考えておかなければなりません。

サンプルの回収

仕事の始めは、工場内に入ってサンプルの回収です。

製品の性質上、工場の中に入る時はエアシャワー室を通って入ります。指定された場所にサンプル(製品の端っこ部分)が切って置いてあるので、台車にそのサンプルを載せていきます。

この時、「向け先」や「品番」などがキチンと記載されているかチェックします。工場は24時間フル稼働で台車2台分程度の量になります。(約20分前後)

サンプリング

試験棟に持ち帰ったサンプルは、その向け先や種類(用途)に従って試験内容が異なりますが、試験内容にあった大きさにアルミ箔をカッターでカットしていきます。

この時、手を切ってしまう危険がありますので、必ずケブラー手袋(軍手のような切れない薄手の手袋)を装着します。

カットしたアルミ箔には鉛筆で試験内容と向け先、品番や採取場所を凹むように記載。(とりあえず1時間半~2時間)

試験と結果入力

サンプリングしたアルミ箔を使って様々な試験を行ないます。試験と言っても、薬品に溶かして処理したものを目視するだけのものもあれば、薬品処理後に様々な装置を使って数値を測定するものもあります。

その数値が合格ラインにあるか、結果をエクセルの専用シートに入力します。

ここまでが大まかな作業ですが、時間があればサンプルの予備保管しているものを整理したり下記のような活動もします。

QC活動

皆さん、「QC活動」ってご存知ですか?

QC活動(きゅーしーかつどう)とは – コトバンクでは以下のように説明されています。

QC(品質管理)に関わる活動のこと。「品質第一の製品を作る」「顧客満足度と従業員満足度を向上させる」「品質を保持するための作業工程の管理・改善を行う」「品質・納期・コストなどの問題を解決するための方法を模索する」などの活動を行う。QC活動は、QCサークルという小グループを結成して行うことが多い。

各部署の小規模なチームが、それぞれ現場の仕事の中で改善できることを“フィッシュボーンチャート”(特性要因図)を使って改善できることを考え、実際に改善できた点を発表します。

私がいた時は、ある試験で一度に試験できる枚数を増やすためにフォルダーを自作し、結果どれぐらいの時間短縮できたかを発表したのを覚えています。

ただ単に枚数が入るフォルダーを作るだけでなく、漬ける薬品やその後の乾燥機の熱にも耐える材料選びなど様々なことを考慮して作ったのを覚えています。

私たちのチームが発表したものは全国大会で入賞して金一封もらえました。考えるのは大変でしたが、意味のある活動だったと思います。

安全教育

この仕事で関心したのは、現場は命の危険を伴う仕事ということで、安全教育が徹底されていること。

高熱で金属を溶かすわけですから、全国にある工場の中で年に一人は大けがや死者が出ることもあるので当たり前と言えば当たり前なんですけど。

そのため、1週間に1回30分を割いて安全教育(グラフや事故現場の写真を見ての報告など)があります。

例えば、「落下防止ベルトを間違った使い方をすると、1.5メートルの高さから落下して死亡するケースもある」とのこと。

また化学専門知識の高い社員が「アルミニウム粉末に水をかけると爆発する」といった薬品の取り扱いに関する話をする場合もあったり・・・けっこう勉強になった記憶があります。

アルミ製品の品質保証の試験内容

ドラフトチャンバー基本的に危険な化学薬品を使いますので、白衣(時には防護服)やゴム手袋、ゴーグルを着用し、作業もスクラバー付きドラフトチャンバー内で行ないます。

テレビでよく見かける研究所のような感じで、装置の中から気体が逃げないような仕組みです。

試験で使う水は水道水だけではなくて、純水システムの水を使います。

そして使う薬品に関してですが、塩酸50%、硫酸50%が中心なので素手で触ってもすぐに水で洗えば問題ない程度のものですが、試験の中にはフッ酸(フッ化水素酸)というとても危険な薬品も使用するものもありました。

これに関しては絶対事故の無いよう防護服で完全に体を覆って、できる限りドラフト内に頭も入らないようにしながらの作業になります。

品質保証試験の様子2

試験の方法は、電極の付いた装置の中に、試験内容に合わせて作った塩酸や硫酸、純水を混ぜた液体を入れ(混ぜる順番も決められています)、液体を決められた温度に調整し、そこに試験用のアルミ箔をセットし、数秒から数十秒電気を通してアルミ箔を溶かします。

これを“電解エッチング”と言います。

エッチングしたアルミ箔はネズミ色になりますが、よく見ると黒や白っぽいスジや点が入っていたりします。

これをいくつかの専用装置を使って光の反射率や成分の割合を調べて検査します。その結果をパソコンを使ってデータ入力し合否の判定をするわけです。

実は他にも試験があって、他チームは引っ張り試験なども行なっていました。

化学系品質保証の求人募集

各会社の新卒者・キャリヤ採用などありますが、基本的に社員募集は専門知識を要しますので、技術系の学科や経験がないと難しいです。(研究、開発、生産技術など)

とはいえ、私の場合がそうであったように、意外に派遣社員としてその会社で採用されるならば、正社員としての道も開かれます。

実際、私が入る少し前に同じように入社した派遣社員の方は、特別な資格をいくつも持っていたこともあり、半年で正社員になりました。

会社としては、この人を絶対逃してはいけないと思ったそうです。その後も少人数の方は正社員に登用されました。

一応技術を教える、いわば会社は投資をしているわけですから、会社として人材が必要だというタイミングが合えば正社員になれるかもしれません。

こういう技術系の職種は工場内に“ある資格者を絶対一人は立てないといけない”という決まりがあったりしますから、入りたい会社のそういった情報を事前に調べておいて資格を取っておくと会社での立場もより良いものとなるに違いありません。

給料も上がりますしね。

ということで、仕事探しをまとめてみると以下のようになります。

  • 自社サイトの採用情報からエントリー
  • ハローワーク
  • 派遣会社の求人内容から判断してエントリー

求人情報サイト一覧はこちら

化学系品質保証の仕事まとめ

ざっと試験内容を中心に書きましたが、それだけこの仕事は試験をする作業が好きか、自分に向いているかがカギです。

そして言われたことだけをやっておく仕事ではありませんので、仕事が飽きにくいというのもポイントでしょう。

このように私がいた会社は工場ゆえの危険も伴いますが、会社全体としての規律がシッカリしていて、仕事のしやすい環境であったことは確かです。

あとは、選ぶ業種および会社によってどの程度、品質保証業務が変わるかですね。